国際金融業務の実体は日々変動・発展する国際金融取引が中核であって、国際金融論は主体が取引実態の把握、その外側に歴史・制度・機構が位置する全体構成となっているからである。そのため、主要内容が変動するとともに、その内容の各部分の比重が時に応じて劇的に変化するからでもある。国際金融市場が第二次石油危機の混乱から徐々に脱して、順調に展開しはじめたかにみえた一九八二年の夏、突如として世界の国際金融市場を震憾させたのは、メキシコの債務支払い不能事態の発表であった。
原油価格が急激に引上げられても、産油国のふところに貯まったオイルーダラーを順調に世界市場に回転・還流させてゆくことができれば、結局は国際金融市場はうまく機能してゆくだろうという、一応の安心感がゆきわたった時に、メキシコ問題が勃発した。それは、あたかも天上の予定調和運動をふいに攬乱するかのように、発展途上国累積債務爆発が突発し、八二年八月以降、すべての先進国の銀行・金融機関は日夜、累積債務問題の悪夢にさいなまれるようになったのである。
2015年6月8日月曜日
信用収縮圧力の発生
こうした当局のスタンスは、金融システムが直面している問題があまりにも大規模なものとなっていることもあり、当局の対応能力に関する信頼性の低下を招いている。このように、バブル崩壊が金融機関への信頼性に相当のダメージを与えているなかで、金融システムの安定性維持が万全であるとは必ずしも想定し難くなっているのである。
バブルの破綻が銀行を中心とした金融機関への影響を介して、金融システムに思ってもみなかったインパクトを及ぼしている。大きくみれば二重のルートを通じて悪影響が表面化している。まず第一のルートは株価下落を反映した銀行の信用創造能力の著しい減退に関するものである。証券などの資産をバーゼル合意で取り決められた資産の種類ごとのウェート(リスクーウェートという)を使って、ウェート付きの資産として再計算し、それらを合計したものをリスクーアセットとして計上する。
そして、この算出されたリスクーアセットに対して、自己資本合計の比率を最低限で八%は維持することを要求している。このことは換言するならば、銀行は自己資本合計の十二・五倍までの範囲内でリスクーアセットの規模を維持すれば、八%の最低基準を満たすことが可能なことを意味する。つまり、自己資本が一単位増減するならば、リスクーアセットは同方向に二一・五単位も変化させうることになる。従って、BIS規制下では、銀行の自己資本の変動に対応する与信能力の変動倍率は、最大限で十二・五倍になる。
こうした自己資本の増減に対するリスターアセットの変動倍率は、一種のレバレッジ(挺子の効果であり、信用拡張力を意味する)であるとも考えられる。何らかの要因が作用して銀行の自己資本が一単位変化すれば、与信能力を示すリスターアセットが最大で十二・五倍もの変化を生じさせるのである。
だが、この点は、八〇年代後半におけるわが国のバブル発生の原因としてことさらに強調されるべきではない。なぜなら、八%ルールのBIS基準は各国に共通な国際的ルールであり、日本に対してだげ適用されているわけではない。BIS規制下においてわが国の銀行の行動パターンに、他国とは異なった大きな影響を及ぼしたものがあるとすれば、まず第一は自己資本の補完的項目(T2)のなかに株式など保有有価証券の含み益を四五%も算入している点である。
バブルの破綻が銀行を中心とした金融機関への影響を介して、金融システムに思ってもみなかったインパクトを及ぼしている。大きくみれば二重のルートを通じて悪影響が表面化している。まず第一のルートは株価下落を反映した銀行の信用創造能力の著しい減退に関するものである。証券などの資産をバーゼル合意で取り決められた資産の種類ごとのウェート(リスクーウェートという)を使って、ウェート付きの資産として再計算し、それらを合計したものをリスクーアセットとして計上する。
そして、この算出されたリスクーアセットに対して、自己資本合計の比率を最低限で八%は維持することを要求している。このことは換言するならば、銀行は自己資本合計の十二・五倍までの範囲内でリスクーアセットの規模を維持すれば、八%の最低基準を満たすことが可能なことを意味する。つまり、自己資本が一単位増減するならば、リスクーアセットは同方向に二一・五単位も変化させうることになる。従って、BIS規制下では、銀行の自己資本の変動に対応する与信能力の変動倍率は、最大限で十二・五倍になる。
こうした自己資本の増減に対するリスターアセットの変動倍率は、一種のレバレッジ(挺子の効果であり、信用拡張力を意味する)であるとも考えられる。何らかの要因が作用して銀行の自己資本が一単位変化すれば、与信能力を示すリスターアセットが最大で十二・五倍もの変化を生じさせるのである。
だが、この点は、八〇年代後半におけるわが国のバブル発生の原因としてことさらに強調されるべきではない。なぜなら、八%ルールのBIS基準は各国に共通な国際的ルールであり、日本に対してだげ適用されているわけではない。BIS規制下においてわが国の銀行の行動パターンに、他国とは異なった大きな影響を及ぼしたものがあるとすれば、まず第一は自己資本の補完的項目(T2)のなかに株式など保有有価証券の含み益を四五%も算入している点である。
登録:
投稿 (Atom)